コーティングトラブル防止

資源循環型社会の実現に向け、セメント産業におけるリサイクル資源の大量活用と低品位原燃料使用比率アップ等で、プレヒータでのコーティングトラブルが助長されています。

プレヒータコーティング防止システム(※TCSシステム)は上部サイクロン原料の一部を分岐し、その原料を窯尻に分散投入することで、窯尻部の温度低下によりキルン排ガス中のSO2ガスや低融点塩類のミストや蒸気を瞬時に浮遊状態で凝縮固化させるものです。 これによりプレヒータ側壁へのコーティング付着を防止し、安定したキルン運転が可能となります。
よって、日常的なキルン安定化による損失防止効果と共に、リサイクル資源及び低品位原燃料の使用量増加にも繋がり、コスト低減効果は更に拡大します。

※TCSシステム: Taiheiyo Coating Solution System

Taiheiyo Caoting Solution System2
Taiheiyo Caoting Solution System3

特徴

  1. プレヒータでのコーティングトラブル防止

    プレヒーター内のコーティングの成長が抑制されることで、過酷なプレヒータ掃除の軽減、キルン運転の安定化及び耐火物の寿命延長等の効果が得られます。 

  2. 硫黄分高含有原燃料使用量の拡大

    現在、世界のセメント産業では安価な低品位オイルコークスの使用比率が増加しておりますが、オイルコークスの殆どは硫黄分含有量が多く、オイルコークス使用にあたってはコーティングトラブル防止技術が必要不可欠です。

  3. リサイクル資源使用量の拡大

    リサイクル資源の多くは、塩素/硫黄分高含有量のもので使用比率に制限がありますが、TCS-システムの導入により、より多くの硫黄分高含有リサイクル資源が使用できます。

主要設備

原料分取設備:   円形回転式分取ダンパ/スクリュー式分取装置
窯尻原料分散板:  窯尻部投入原料の分散を均一化する為の分散板
分岐原料シュート: 各プレヒータごとに最適設計致します