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原燃料への使用比率増大に伴い、プレヒータ系でのコーティングトラブルによりキルンの安定運転が阻害されています。 太平洋セメント株式会社と弊社で共同開発した塩素バイパスシステムはコーティングの主原因となる原燃料中の塩素をキルン・プレヒータ系から効率的に除去する独自の技術で、キルンの安定運転、塩素含有廃棄物の大量活用を可能にします。
キルン・プレヒータ系内での塩素の循環濃縮状況―コーティングトラブルの要因―を把握する重要な指標として、ボトムサイクロン原料の塩素濃度があります。この指標によりコーティング発生を抑制するキルン尻ガスの最適なバイパス率を独自のシミュレーションにより設定します。
各揮発性成分のキルン内での揮発率は塩素がアルカリ、硫黄に比べ非常に大きいため、塩素除去を目的とする塩素バイパスは10%以下程度のバイパス率で十分な効果(塩素除去率約80~90%)が得られます。
抽気ガス中のダストをサイクロンにより低塩素濃度の粗粉と高塩素濃度の微粉に分離し、粗粉をキルン系に戻すことにより、系外処理を要する微粉(バイパスダスト)量を大幅に低減することができます。
上記2、3項の効果(バイパスダスト量大幅低減)と、バイパスダストの処理システムを提案します。